丸津田濤瀾刃比類なき最高傑作『津田越前守助広 延宝四年二月日』福永酔剣鑑定折紙・鞘書 最上作大阪新刀を代表する大巨匠

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津田越前守助広は寛永十四年に現在の兵庫県芦屋市に生まれました。
そぼろ助広に入門して後に二代目となり、明暦三年に越前守を受領、
寛文七年に大阪城代青山家に召し抱えられます。濤瀾刃を創始した
事で知られ、その新作風は一世を風靡しました。大阪新刀のみならず
後世の新々刀鍛冶にも大きな影響を与えました。裏表ともに
草書で切る銘を丸津田と呼び、特に賞玩が厚くなっています。
この刀は鎬造、庵棟、身幅広く、重ねやや厚く、反りやや深くつき、
切先は中切先となっています。姿は上品さと豪壮さを併せ持った
流石は名工という絶妙なバランスを保った見事な造込みであると思います。
鍛えは小板目肌がよくつみ、所々にやや大肌ごころの肌が交じり、
地沸微塵に厚くつき、地景が細かによく入った、美しい見事な鍛えを
見せています。刃文は直ぐに焼き出し、その上は大互の目にのたれ、
互の目など交じり、いわゆる濤瀾刃を焼き上げて、匂深く、足太く入り、
小沸が厚くついて、細かに金筋、砂流しかかり、刃中が明るく冴えています。
帽子は直ぐに小丸に返り僅かに掃きかけています。表裏に棒樋が彫られています。
鑑賞には差し支えないかと思いますがヘアライン程度のヒケがあります。
まさに助広の得意とした作柄で、円熟の極みに到達したその出来栄えは
同作のみならず新刀中の傑出したものであると思います。昭和後期を
代表する刀剣研究家の福永酔剣の鑑定折紙と鞘書があります。
同鞘書において新刀屈指の名作と評しています。

長さ/72.8㎝ 反り/2.0㎝
元幅/31.5mm 元重/6.8mm 先幅/20.8mm 先重/4.8mm 刀身のみの重量670g
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